避難所の外の被災者見守り=車中泊や軒先、「早期対応を」―支援団体・熊本地震



熊本地震の被災地で、車中泊や自宅の軒先で避難を続ける被災者に物資や情報を届ける団体がある。代表理事は「避難生活が長期化するほど被災者は疲弊する。早期に話を聞くことが大切だ」と強調。一方、避難所の外にいて支援が届いていない被災者の把握も課題だと指摘する。

被災者支援に取り組む一般社団法人「minori」(熊本市)代表理事の高木聡史さん(58)は、2016年の熊本地震で車中泊が相次いだことを踏まえ、今回、地震翌日に活動を開始した。メンバー5~6人が2組に分かれ、避難所や商業施設の駐車場、被災住宅などを回り、車やテントで避難生活を送る人に声を掛けている。

19日夜は、宇城市の避難所から巡回を始めた。駐車場の車を一台一台のぞき込み、寝泊まりする人がいないか確認。その後、支援を続ける被災者の女性(49)と合流し、入居可能なみなし仮設住宅を紹介するなどした。4人の子どもは避難所で寝泊まりするが、女性は「避難所では寝付けない」と車中泊を続ける。「こうして気に掛けてもらえるのはありがたい」と笑顔を見せた。

同市ではまた、夫や聴覚障害のある3人の息子らと7人で、自宅軒先のテントなどで避難生活を送る農家の竹馬陽子さん(49)に飲料水を届けた。「この生活を知ってくれる人がいるだけで『大丈夫だ』と思える」と竹馬さん。高木さんは「同じような状況にいる人を見つけたら教えてほしい」と呼び掛けた。

一方、支援の手が届かない人も。犬を飼っているため避難所を避け、八代市の自宅敷地内で車中泊をする無職緒方和博さん(42)の元には、行政や支援団体の見回りは来ていない。夜は暑さで熟睡できず、足のむくみにも悩まされる。「市内で比較的被害が少なかった地域なので、気付かれていないのかも」と疲れた表情を浮かべた。

被災地では、自治体やボランティア団体が、避難所外で避難生活を送る人に戸別訪問や電話連絡をし、健康相談などの支援を続けているが、全容の把握や対応には課題が残る。高木さんは「最大の問題は困っている人がどこにいるか分からないことだ」と指摘。自治会など地域のつながりを生かし、行政だけでなく支援団体が被災者と早期に接触できる仕組みづくりに平時から取り組む必要があると訴えた。

【時事通信社】 〔写真説明〕自宅の軒先で避難生活を続ける被災者に物資を届ける高木聡史代表理事(手前)=19日、熊本県宇城市 〔写真説明〕犬のケイと車中泊する緒方和博さん=23日、熊本県八代市

2026年08月30日 19時03分


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