
臨時国会が5日に召集されるのを前に、自民党内で衆院議員定数削減の議論を先送りするべきだとの声が出ている。野党が反対姿勢を続ける中、高市政権が最優先課題に位置付ける消費税減税関連法案の審議に影響が及ぶことを懸念するためだ。連立与党の日本維新の会は早期の定数削減を求める立場を崩しておらず、与党内で温度差が生じている。
「消費税減税法案の成立が最優先だ。定数削減法案の来年の通常国会への先送りもあり得る」。自民幹部はこう指摘した。与党は参院で過半数に届いておらず、法案成立には野党の協力が欠かせない。定数削減を持ち出し、野党の反発を招くのは得策ではないとの判断がある。
首相官邸幹部も「減税法案が成立してから定数削減法案を審議してもらいたい」と期待を示した。自民が9月30日に開いた政治制度改革本部では定数削減への慎重意見が相次いだ。自民内で実現を急ぐ機運は乏しい。
与野党は10月末までに現行の衆院選挙制度の見直しについて結論を出すことで合意した。与党は定数削減も議論するよう求めるが野党は応じない方針。野党各党の衆参両院の国対委員長は2日、国会内で会談し、比例代表45議席を削減する与党提出法案の成立阻止を確認した。
消費税減税は高市早苗首相の「悲願」だ。自民内には、恒久的な食料品の消費税率ゼロを唱える公明党との連携を重視すべきだとの声がある。公明は比例代表のみの定数削減に反対しており、公明幹部は「自民には協力できない」とけん制している。
維新は定数削減を「改革のセンターピン」としてきただけに焦りを募らせている。昨年の臨時国会、今年の特別国会に続き、3度目の先送りとなれば党内の反発は強まるとみられ、吉村洋文代表(大阪府知事)は2日、府庁で記者団に「臨時国会で定数削減をやり遂げる」と重ねて強調。消費税減税優先論に対し「どちらも選挙公約だ」と語気を強めた。
【時事通信社】
〔写真説明〕首相官邸に入る高市早苗首相=2日、東京・永田町
〔写真説明〕記者団の取材に応じる日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)=2日午後、大阪府庁
2026年10月03日 07時10分