
【ロサンゼルス時事】米国でスポーツ賭博が定着する中、賭けに負けた利用者による選手や監督、その家族への脅迫や嫌がらせが相次いでいる。米大リーグなどの主要プロスポーツ団体は悪質な賭博客の「永久追放」を求めて働き掛けている。
大リーグ、ロッキーズで菅野智之投手と同僚のミッキー・モニアク外野手は地元メディアのデンバー・ガゼットに対し、「殺害予告は格段に増えた。週に10件くらい来る」と明かした。「賭けが外れると、『自殺しろ』と言ってくる」ことも。SNSはスマートフォンから削除したという。
選手が標的とされる背景には、個人成績などを対象にする賭博の一種「プロップベット」の普及がある。試合の勝敗ではなく、その選手が本塁打を打つか、三振を幾つ奪うかなどにも賭ける。負けた怒りが特定の選手へ向かいやすくなった。
かつて米スポーツ界は賭博合法化に反対してきたが、2018年に米最高裁が各州に解禁への道を開くと流れが変わった。新たな収益やファンの関心を見込み、主要リーグは賭博業者との提携を拡大。ワシントン・ポスト紙の調査によると、中継で関連広告などが平均で4分に1度登場する。
現在は39州とワシントンDCでスポーツ賭博が合法となっている。その弊害が表面化し、9月には大リーグ機構(MLB)など主要プロスポーツ5団体と選手会が脅迫行為をした利用客の賭博利用を永久に禁止するよう、各地の規制当局に共同で要請。州をまたぐ情報共有なども求めている。
市場がもたらしたものは恩恵だけではない。賭博を取り込んだスポーツ界が、今度はその代償と向き合っている。
【時事通信社】
〔写真説明〕ドジャースのロバーツ監督(右)の後方で代打の準備をする大谷=9月、ロサンゼルス
2026年10月06日 14時34分