中国、ミャンマー貿易拡大へ=政情不安で課題多く



ミャンマーで4月にミンアウンフライン前国軍総司令官が大統領となる新政権が発足した。日本や欧米が新たな政権に距離を置く中、隣国の中国はミンアウンフライン氏の大統領就任式に特使を派遣して存在感をアピール。貿易や経済関係の強化に意欲を示した。ただ、ミャンマーの政治・社会情勢は依然不安定なまま。貿易拡大に向けた課題は多い。

ミャンマーに隣接する中国雲南省の瑞麗。4月上旬、街は両国の貿易商や買い物客でにぎわっていた。国境検問所には中国で買い込んだ荷物を抱えたミャンマー人バイヤーが並ぶ。市場にはミャンマー製のひすいや薬、たばこなどを販売する商人の姿が目立つ。

中国貿易統計によると、2025年の対ミャンマー貿易総額は前年比19.1%増と、3年ぶりにプラスに転じた。瑞麗で薬店を営むミャンマー人の男性は「中国の入国許可証は数年前と比べれば、少しだけ入手しやすくなった」と打ち明けた。ただ、依然として許可証を入手できず、中国側に越境できないミャンマー人も多いという。

ミャンマーの華字メディアによると、4月上旬には、ミンアウンフライン氏と中国の駐ミャンマー大使が会談し、交易路の再開や国境の安定化に向けた協力について協議した。瑞麗ではかつて中国人観光客向けにミャンマーへの日帰りツアーが催行されており、地元の旅行会社からは「まずは中国人が自由に陸路でミャンマーへ行けるようにしてほしい」との声が上がる。

両国の貿易は24年に一時、ピーク時の約6割の水準まで落ち込んだが、背景には、中国側がミャンマー反政府勢力の台頭を事実上黙認し、交易路が寸断された影響があったとされる。中国は現在、むしろミャンマー政府を積極的に支える方針のため、「貿易制限はいずれ緩和される」(北京の外交筋)といった見方が強い。

ただ、現時点でミャンマー政府の実効支配地域は国土の半分を大きく下回っているとされる。一部の反政府勢力は、政府を支援する中国を敵視しており、中国が建設したインフラが攻撃を受けるケースも起きた。宝石商と称する中国人男性は「ミャンマーで移動できる地域は減った」と語り、ビジネスの回復に向け政情安定化が「何よりも大切だ」と訴えた。

〔写真説明〕中国とミャンマーを隔てる国境=8日、中国雲南省瑞麗 〔写真説明〕出国審査を待つミャンマー人バイヤーら=8日、中国雲南省瑞麗

2026年04月19日 07時13分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース