FRB次期議長、かじ取り難しく=紛争長期化でインフレ圧力―トランプ氏利下げ要求



【ニューヨーク時事】米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長となる人事が承認されたケビン・ウォーシュ氏(56)は、米イランの紛争長期化に伴う原油高やインフレ圧力に直面する中、難しいかじ取りを迫られる。同氏を指名したトランプ大統領は利下げを望んでいるが、当面の実施は困難な環境で、板挟みの状態となりそうだ。

今月発表された米経済指標では、雇用が堅調な一方、インフレ加速の兆候が目立ち始めた。特にFRBが重視する、変動の激しいエネルギーと食品を除いた物価指標が市場の想定を上回るようになり、紛争に起因するインフレが社会全体に広がる懸念が強まっている。

市場関係者は「ウォーシュ氏が置かれた状況は非常に厳しい」(米運用会社)と分析。インフレによってFRBが取り得る政策の選択肢が狭まっているとして、「手足を縛られている状態」と指摘する。

インフレ懸念を背景に、FRBは以前よりも金融緩和に慎重な「タカ派」色を強めている。4月末の連邦公開市場委員会(FOMC)では、地区連銀総裁3人が、金利据え置きを支持する一方で次の動きが利下げになると示唆する声明の内容に反対。これ以降、他の一部高官もこの3人に同調する姿勢を示しており、ウォーシュ氏が利下げで合意を形成するハードルは高い。

ウォーシュ氏は、2008年のリーマン・ショックを受けFRBが大規模な展開を続けた、国債購入を通じ市場に資金を供給する「量的緩和」に批判的で、FRBの保有資産縮小に意欲を示す。ただ、この取り組みも国債の需給が緩んで長期金利の上昇を招く恐れがある。ただでさえインフレ懸念で金利が高止まりする中、実現は容易ではないとみられている。

〔写真説明〕ケビン・ウォーシュ氏=4月21日、米ワシントン(AFP時事)

2026年05月14日 20時44分


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