
大阪メトロは17日、大阪・関西万博に合わせて電気自動車(EV)バスを大量購入したものの、不具合が続発し、万博後の活用を断念した経緯に関する調査報告書を発表した。それによると、同社では大阪の公共交通企業として万博輸送を担い、輸送には環境に配慮したEVバスを使用すべきだとの意識が強く、その目標に固執し安全性に関するリスクが十分に検討されなかったという。
同社は、万博の顧客輸送のため、EVモーターズ・ジャパン(北九州市)からEVバス190台を購入したが、不具合が続発。一部車両は万博期間中に事故を起こし運行停止となった。このため万博後のEVバス活用を断念し、2026年3月期決算で67億円の特別損失を計上。購入時に社長だった河井英明会長が引責辞任した。
17日の記者説明会で、植村満常務は「EVバスありき、導入ありきになってしまった。万博が特別な雰囲気をつくった」と述べ、新しい技術導入へのリスク検討が不十分だったと認めた。
報告書では、子会社の大阪シティバスがEVバスの一斉導入に反対していたことも判明。ただ、大阪メトロが導入に固執。「子会社としては従うしかない」と意見を撤回していたという。
〔写真説明〕大阪・関西万博で、会場の外周を走る電気自動車(EV)バス=2025年4月5日、大阪市此花区
2026年07月17日 21時26分