
皇族数の確保策を盛り込んだ改正皇室典範は17日の参院本会議で、与党と国民民主、公明、参政各党の賛成多数により可決、成立した。旧宮家の男系男子が養子として皇室入りし、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持することが可能となる。1947年の制定以来、典範の実質的な改正は初。参院野党第1党の立憲民主党と共産党、れいわ新選組などは反対した。
養子の男系子孫が男子なら皇位継承権を持つとし、政府・与党が重視した「男系継承」の考え方を反映した。異論も根強く、国民の幅広い合意形成が課題となる。
改正典範は、養子を禁じた現行典範9条を修正し、「養子皇族男子」に関する章を新設。養子の対象を、47年に皇籍を離れた旧11宮家の男系の子孫で、配偶者と子のない15歳以上の男性と定めた。養親になれるのは親王、親王妃、内親王、王、王妃、女王とし、皇嗣・皇嗣妃は除外した。
養子本人は皇位継承権を持たないと規定。一方、養子の子孫は皇位継承順位を記した2条が適用されるとし、木原稔官房長官も国会審議で、養子の男系の子について「男子の場合は皇位継承資格を有する」と明言した。
これに関しては、衆参正副議長の下に置いた各党代表者会議で扱われなかった。政府側は会議で決めた「立法府の総意」に沿ったと強調したが、一部野党は「だまし討ち」だと反発。「静謐(せいひつ)な環境」での改正とはならなかった。
女性皇族の身分保持に関しては、婚姻時の皇籍離脱を定めた12条を削除した。夫と子については規定を置かず、一般国民のままとした。家庭内に身分の違いが生じるが、木原氏は「家族の一体性」に問題はないとの認識を示した。
結婚後の女性皇族は、皇統譜と住民基本台帳の双方に登録される。経過措置として、施行時の女性皇族は、皇籍を離れるかどうか選択できると付則に記した。
施行は公布3カ月後。付則には30年ごとの見直しも明記された。実際に縁組が行われ、皇族確保につながるかどうかが今後の焦点で、安定的な皇位継承の方策と併せて引き続き議論が必要となる。
【時事通信社】
〔写真説明〕皇族数の確保策を盛り込んだ改正皇室典範が可決、成立した参院本会議=17日午前、国会内
〔写真説明〕1947年に制定された現行皇室典範の御署名原本(国立公文書館デジタルアーカイブより)
2026年07月17日 12時58分