自動車市場、国内勢も苦戦=消費不振とEV過当競争で―中国



【北京時事】日米欧の自動車大手が発表した2026年上半期(1~6月)の販売実績では、最大の中国市場で消費低迷が続き、各社の苦戦ぶりが浮き彫りとなった。一方で中国メーカーも、電気自動車(EV)を推進する国家戦略が過当競争に拍車を掛け、採算悪化に直面。かつての成長市場は今や失速が鮮明となり、外資も中国勢も曲がり角を迎えている。

上半期の中国販売台数は日系で、ホンダが前年同期比34.6%減、トヨタ自動車が17.1%減、日産自動車が15%減と二桁の落ち込みを記録した。欧州勢はフォルクスワーゲン(VW)、メルセデス、BMWが2~3割減。米GMも6%減だった。一部メーカーは販売網見直しなど、守勢に立たされる。

中国勢も例外ではない。輸出を除く国内販売は2年ぶりに前年割れ。EV最大手の比亜迪(BYD)が16%減、高級EVの理想汽車も5%減となった。激しい値下げ合戦で自動車価格は3年以上も下落基調が続いている。

背景には、供給過剰問題が横たわる。中国が国家戦略として振興するEVを含む新エネルギー車の国内販売は19年から5倍に増える一方、補助金や税優遇で生産能力が急拡大。EV大国となった裏で、工場の稼働率は「採算ラインとされる8割を大きく下回る」(中国自動車工業協会)。

過剰生産のひずみは輸出にも及ぶ。深セン市など少なくとも20の地方政府は新車を登録直後に中古車扱いして海外に流すよう支援。通称「ゼロキロ中古車」が中古車輸出の9割以上を占めるとの推計もある。当局がBYDや国有大手に聴取するほどの問題に発展した。

中国政府は国内で「内巻(無秩序な競争)」の是正を迫られ、国外では「過剰生産能力」批判への反論に追われている。「中国の自動車産業は最も残酷な段階に入った」。国産EVの草分け、蔚来(NIO)の李斌最高経営責任者は先行きへの危機感をあらわにした。業界再編も視野に入る中、国家主導のEV産業育成は岐路に差し掛かっている。

〔写真説明〕輸出のための船積みを待つ中国製電気自動車(EV)=6月25日、中国・山東省煙台市(AFP時事)

2026年08月10日 15時41分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース