CPTPP、増える加入希望国=自由貿易の「よりどころ」に



日本を含む12カ国で構成する自由貿易協定「包括的および先進的な環太平洋連携協定(CPTPP)」に加入を目指す動きが拡大している。アルゼンチンが6月に申請し、韓国も意欲を示す。世界で保護主義が広がる中、アジア太平洋地域を問わず自由貿易を支持する国々の「よりどころ」となりつつある。

CPTPPは、高い水準の市場開放を求める点が特徴だ。幅広い品目で関税の原則撤廃を要求するほか、国有企業優遇の制限も求める。加入交渉に入るにはルールに従う用意や順守実績も問われ、全加盟国の合意が必要となる。

加盟国の品目ベースの関税撤廃率は日本が95%で、他国が99~100%。輸出入が促され、日本のCPTPP加盟国に対する2025年の貿易総額は18年比41%増と、対世界(36%増)よりも高い伸びを示した。特に農林水産物・食品輸出は対加盟国が2.3倍(対世界は76%増)と伸びが顕著だった。

各国が加入に関心を示す背景にあるのは世界経済を覆う不確実性への不安だ。トランプ米政権は幅広い国に高関税を課し、中国は重要鉱物などの輸出管理を外交カードに使う。ルールに基づく国際通商秩序が揺らぐ中、各国は自由貿易体制の維持・強化を志向するCPTPPに期待をかけており、交渉関係者は「関心は『環太平洋』を越えている」と強調する。

加盟国の連携は経済安全保障分野にも広がる。昨年11月の閣僚級会合では、紛争などの危機時の協力を念頭に、サプライチェーン(供給網)強化に関する規定の見直しを検討することを決めた。高い市場シェアを持つ製品の輸出制限などで他国へ圧力をかける「経済的威圧」に対抗する狙いがある。

課題は、急増する加入申請をどうさばくかだ。6月には、申請中のフィリピン、インドネシア、アラブ首長国連邦(UAE)を対象に、新たな試みである「予備的議論」を始めることを決定した。貿易実績などを事前に確認し、円滑に交渉を進め、加盟国の拡大につなげる。

【時事通信社】 〔写真説明〕包括的および先進的な環太平洋連携協定(CPTPP)閣僚級会合で発言するオーストラリアのファレル貿易相(中央右)=2025年11月、メルボルン

2026年08月09日 20時13分


関連記事

政治・行政ニュース

社会・経済ニュース

スポーツニュース