
高市早苗首相(自民党総裁)は、9月を念頭に内閣改造と党役員人事を行う方向で検討に入った。内閣支持率が下落傾向となり、消費税減税を巡って党内の亀裂が鮮明となる中、来年9月の任期満了に伴う総裁選での再選を見据え、党内基盤の強化を狙う。焦点は政権の骨格を担うべき鈴木俊一幹事長の処遇だ。
首相は7日、鈴木氏、木原稔官房長官と首相官邸で約20分間会談。関係者は、人事と秋に想定される臨時国会について意見交換したと明かした。
鈴木氏は党内唯一の派閥、麻生派に所属。政権の「後ろ盾」である麻生太郎副総裁の義弟だが、首相の信頼が厚いとは言い難い。1月の衆院解散について事前の相談を受けず、特別国会が空転した際には官邸、野党との間で積極的に調整に当たった形跡もない。首相周辺によると、首相も不満を漏らしているという。
後任として取り沙汰されるのが、旧安倍派の萩生田光一幹事長代行だ。麻生氏ら重鎮との関係は良好で、要職を歴任し調整能力に定評がある。党と官邸の意思疎通強化への期待もある。萩生田氏は7月、安倍晋三元首相の追悼集会で「党の中で高市政権を全力で支えたい」と発言。「幹事長に名乗りを上げた」(党関係者)との見方がある。ただ、派閥裏金事件で批判を浴びたのはネックだ。
幹事長人事は麻生氏の意向がカギを握りそうだ。首相に近い中堅は「麻生氏を敵にはできない。鈴木氏は官房長官と共に留任だろう」との認識を示した。ベテランは「来年の総裁選を考えると、麻生、鈴木両氏は代えられない」と語った。
小泉進次郎防衛相や林芳正総務相、小林鷹之政調会長ら「ポスト高市」候補にも、首相が配慮するとの見立てが多い。引き続き政権内に取り込めば、総裁選への出馬を封じることができる。
一方、「閣外協力」だった日本維新の会は、今回の人事から所属議員を入閣させる方針。党内では「副首都」創設法を所管する総務相を求める声が出ている。吉村洋文代表は人事について、首相と事前に相談する方針だ。
首相側近は人事の全体像に関し、「党内に配慮したものになる」と予測。「『高市色』の人事は総裁再選後だ」と語った。
【時事通信社】
〔写真説明〕首相官邸に入る高市早苗首相=7日、東京・永田町
2026年08月09日 07時03分