
1日の東京債券市場で、長期金利が約30年ぶりに3%を付けた。長期金利上昇は、住宅ローンの固定型金利の引き上げや企業の資金調達コスト増につながり、家計や企業で返済負担の増加が見込まれる。一方で、定期預金金利の上昇による利子収入の増加といった恩恵も期待できそうだ。
固定型の住宅ローン金利は、長期金利の動向を基準の一つに決めている。住宅金融支援機構は1日、固定型の住宅ローン「フラット35」の9月適用金利について、返済期間21年以上35年以下の場合、年3.46~5.69%と過去最高に変更。今後、メガバンクなど民間の固定金利も引き上げが予想される。変動型も金利が上昇しており、住宅購入を控える若年層を中心に負担が増える見通し。
企業にとっては、借り入れに対する利払い負担増が経営を圧迫する恐れがある。東京商工リサーチの試算では、中小企業向けの貸し出しや預金の金利が0.25%上昇した場合、経常利益が平均で年41万円超下押しされる。みずほ総合研究所の服部直樹チーフ日本経済エコノミストは「長期金利の上昇は家計よりも企業にマイナスが大きく、有利子負債の比率が高い中小企業が影響を受けやすい」と分析する。
一方、プラス面では、銀行の定期預金や個人向け国債の金利上昇による収入増が見込まれる。生命保険各社が保険商品の予定利率を引き上げることで、保険金の受取額も増えそうだ。
〔写真説明〕長期金利を示すモニター(資料写真)
2026年09月01日 21時20分