
紙の手形や小切手の交換が、2027年3月末で廃止される。金融機関の多くは、インターネットバンキングや電子記録債権への移行期間を確保するため、紙での新規発行の最終期限を9月30日に設定した。10月1日以降は原則、手形や小切手による当座勘定からの支払いができなくなる。全国銀行協会などは、主な利用者の中小企業に対し、全銀協の子会社が手掛ける全銀電子債権ネットワーク(でんさいネット)や、他の電子決済サービスへの早期の移行を呼び掛けている。
手形と小切手は企業間の決済手段の一つとして利用されてきたが、紛失・盗難の恐れや、入金までに時間がかかるなどの難点があった。手続きを電子化すれば、発送・管理などの手間やコスト削減が期待できる。
全銀協によると、紙の手形・小切手の利用枚数は、24年時点でピーク時の1979年に比べ約20分の1まで減少。22年11月からは手形や小切手などを電子データ化して決済する電子交換所の運営を始めた。その電子交換所の利用も、7月は約34万枚と、全銀協想定の半分程度まで落ち込んでいる。現在も紙の手形を使い続けている企業の多くは、商習慣や抵抗感からデジタル化に踏み切れない建設や製造業などの中小・零細企業とみられる。電子交換所自体も29年6月には廃止となる。
全銀協の調査によると、最終振出期限を決める予定の金融機関のうち、9月30日に設定したのは83%に上った。全銀協は利用者に対し「円滑に移行するためにも、余裕を持って対応してほしい」と呼び掛けている。
〔写真説明〕全国銀行協会=東京都千代田区
2026年09月06日 07時03分