
残暑が続く中、2027年の正月に向けた百貨店各社のおせち商戦が早くも熱を帯びている。各社はアニメのキャラクターなどを応援する「推し活」や、カロリーを気にせず食べて満足感を得る「ギルティ消費」など近年の流行を取り入れた商品を展開し、「おせち離れ」が進む若年層の取り込みを狙っている。
そごう・西武は、子ども向けテレビ番組のスーパー戦隊シリーズをテーマにしたおせち(2万6460円)を販売。昭和、平成、令和の5作品に登場したヒーローをイメージした練り切りなどを配し、家族三世代で「推し」を楽しめるようにした。また、物価高で節約志向が強まっていることから、人気の四段重を昨年と同じ価格(2万3220円)に据え置いた。担当者は「価格やボリュームを重視するコストパフォーマンス志向と、正月ならではの特別感や話題性を求める体験価値志向の二極化が進んでいる」と話す。
東武百貨店が力を入れるのは肉類を中心とした約6人前の「ギルティオードブルおせち一段」(3万6720円)。計7500キロカロリー超と若い男性でも満腹になるボリュームを目指した。
高島屋は被災地支援を打ち出し、熊本県の食材を使ったおせちを企画した。売り上げの一部を北陸地方に寄付する商品もある。百貨店の松屋は物価高などから帰省しない人も多いとみて、贈り物として全国配送できる冷凍おせちを拡充する。
調査会社の富士経済は27年の重詰めおせちの市場規模について、前年比1%増の867億円と3年連続の増加を予想。高島屋大阪店では「年末年始のごちそう需要は堅調と見込み、前年を上回る売り上げを目指す」(担当者)という。各社は8月中旬から順次予約を受け付けている。
〔写真説明〕そごう・西武のスーパー戦隊シリーズをテーマにしたおせち=8月24日、東京都豊島区
〔写真説明〕東武百貨店が販売する「ギルティオードブルおせち一段」=8月24日、東京都豊島区
2026年09月06日 07時04分