米加、応酬ヒートアップ=貿易戦争、再来に現実味



【ワシントン時事】米国とカナダの貿易を巡る応酬が一段とヒートアップした。トランプ米政権は8日、カナダに対する50%関税の対象品目拡大と輸入禁止措置をぶち上げた。カナダ側も一歩も引かない姿勢を示しており、第2次トランプ政権で貿易戦争の再来が現実味を帯びてきた。

「米国に報復措置を取った世界でも数少ない国に対抗する」。米政権高官は8日、記者団にこう強調した。米政権はこれまで、米国への報復措置に打って出た国として、カナダと中国を名指しで批判してきた。

中国とは昨年、第2次政権発足後に発動した相互関税を契機に、報復の連鎖がやまず、互いに100%超の高関税をかけ合う事態に発展した苦い記憶がある。

トランプ大統領がこの日、カナダに対する報復措置のために署名した布告は5本。特定の案件では異例の多さで、隣国カナダへの威圧を強める姿勢が露見した。

一方、カナダのカーニー首相は8日、「米国はわれわれを支配するため、打ち壊そうとしているが、そのようなことは決して起こさせない」と国民にアピール。対抗心をむき出しにした。

11月に中間選挙を控える米政権にとって、隣国カナダの報復措置に強硬姿勢でアピールすることには、支持基盤への一定の訴求は見込める。ただ、カナダ産品への関税と禁輸で「壁」を高くすれば、米国内で価格高騰などを招き、消費者や企業に痛手となるのも事実だ。

調査会社イプソスが9月1日に公表した世論調査によると、カナダに対する高関税措置を支持すると答えた米国民は20%にとどまり、反対が約3倍の57%を占めた。さらに、カナダと妥協してもよいとの回答は68%に上った。

中国との貿易戦争は、高関税が双方の貿易を縮小させ、最終的には取り下げる結果となった。米高官は、「中国とでさえ、報復を最小限に抑える一定の合意に達している」とカナダをけん制。だが、強気の姿勢を堅持するトランプ氏は、自身への火の粉となって選挙などに与える影響を顧みず、貿易戦争という危うい橋を渡り続ける構えだ。

〔写真説明〕カナダと米国の国境をまたぐ橋に掲げられた両国の国旗=6日(AFP時事)

2026年09月09日 20時38分


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