信認強調も拭えぬ懸念=市場、高市政権の「行動」注視―所信表明演説



高市早苗首相は5日の臨時国会での所信表明演説で、金融市場との対話を重視する方針を改めて示した。長期金利が上昇基調を強める中、政権は市場の信認確保に躍起だが、財政悪化への懸念は拭えないままだ。2027年度予算編成が本格化する中、強い経済と財政の持続可能性の両立を図る「責任ある積極財政」の実現へ、市場は「行動が伴うか」(証券会社)を注視している。

「正攻法で市場の信頼を高めていく」。高市首相は演説でこう強調し、政策の成果を国民や市場関係者に丁寧に説明する考えを表明した。

高市政権発足後、市場は首相発言や政策運営に敏感に反応してきた。日銀の追加利上げに慎重な姿勢や、拡張的な財政政策による国債増発への懸念などを背景に、長期金利は9月25日に3.115%と、1996年8月以来約30年ぶりの高水準を付けた。為替市場では円安が進み、7月末の日米協調介入も、円安是正効果は限定的だった。

長期金利の上昇や円安基調が続く中、ベセント米財務長官は9月1日、デフレ脱却へ金融緩和や財政出動を重視するリフレ政策を「やめるべきだ」と言及。トランプ米大統領も22日の日米首脳会談で円安への懸念を示すなど、日本の経済運営に対する「外圧」は厳しさを増している。

高市首相は内閣改造で再任した片山さつき財務相と城内実経済財政担当相に、市場とのコミュニケーションの強化を指示。片山財務相は、市場の信認確保へ国債の通年発行額の具体化など「粘り強く説明を常にしていく」と述べた。

ただ、市場では、成長重視の積極財政路線が続く中で財政規律も確保できるのか見極めたいとの見方が根強い。「具体的な行動や数字で示さないと、市場に安心感をもたらさないのではないか」(資産運用会社)との指摘が出ている。

〔写真説明〕衆院本会議で所信表明演説をする高市早苗首相=5日午後、国会内

2026年10月05日 20時31分


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