【ロンドン時事】米ハーバード大法科大学院に複製として所蔵されていた英国の「マグナカルタ(大憲章)」が、実は貴重な原本だったことが判明した。同大は1946年にわずか27ドル50セントで購入したが、英紙デーリー・テレグラフは「2100万ドル(約30億円)の価値がある」と伝えた。
ハーバード大が15日に発表したところによると、原本と分かったのは1300年にエドワード1世の治世下で作成されたマグナカルタ。購入当時の競売カタログには「1327年作成の複製。多少のこすれと湿気染みあり」と記されていた。
調査は英国の大学の教授2人が1年かけて行った。所蔵品は一部がひどく退色しており、スペクトル画像処理などを実施。その結果、筆跡や寸法のほか、単語やその順序が既知の原本と一致した。
王権を制限するマグナカルタは1215年、イングランド王ジョンが諸侯の要求を受け署名した。法の支配や人権の概念が、その後の各国の憲法や米国の独立宣言にも影響を与えた。マグナカルタはジョン王以降も、歴代の王の下で再発行され、各地に配布された。
〔写真説明〕原本と判明した「マグナカルタ(大憲章)」=4月15日撮影(Lorin
Granger/ハーバード大法科大学院提供)
2025年05月17日 17時00分