天皇ご一家の訪問「ありがたい」=「学び舎ゆめの森」校長―福島・大熊町



天皇ご一家が7日訪問された福島県大熊町の「学び舎ゆめの森」は0~15歳の一貫教育を行う町立の教育施設で、東京電力福島第1原発事故後、避難先の会津若松市で開校。在校生は当時9人だったが、大熊町に戻った後は順調に増え、4月からは127人が学ぶ。志賀仁校長(50)は、ご一家の訪問を「被災地に寄り添っていただけるのはありがたい」と感慨深い様子で語った。

15年前の震災当時、大熊町には二つの幼稚園と二つの小学校、一つの中学校があった。原発事故に伴い、約1500人のうち、約700人の子どもが会津若松市に避難し、仮設校舎で学んだ。

しかし、子どもの数は年々減少。町の存続が危ぶまれ、帰還者や移住者を増やすため、2022年4月に開校した。当時の在校生は9人だった。志賀校長は「普通は人が増えるから学校をつくるが、逆の状態だった」と振り返る。

同校は23年に大熊町に移転。移住者増を背景に、在校生は年々増え、昨年度は100人のうち7割が県外からの子どもだった。志賀校長は「さまざまな背景にかかわらず、子どもたち一人一人が好きなことを追求して広げていくことを一番大切にしている」と話す。

同校の小・中学生は総合学習の時間で、まちづくりについて考えをまとめ、昨年は「こども議会」で町長に質問する取り組みを行った。この日は小・中学生がご一家を前に、町の復興への思いや自分の関心をテーマに発表。ご一家は笑顔で拍手を送った。

ご一家を見送った志賀校長は「訪問は子どもたちの励みになった」と振り返り、「天皇陛下に大熊町の教育に関する現状をお話しし、重要性を理解していただいた。原発事故の現状を伝え続けていくことの重要性を改めて感じた」と決意を新たにしていた。

〔写真説明〕町立教育施設「学び舎ゆめの森」で授業を視察し、児童の発表に拍手される天皇、皇后両陛下と長女愛子さま。天皇陛下の左が志賀仁校長=7日午後、福島県大熊町(代表撮影) 〔写真説明〕町立教育施設「学び舎ゆめの森」で、被災者の野口美佐子さん(右端)と懇談される天皇、皇后両陛下と長女愛子さま=7日午後、福島県大熊町

2026年04月07日 21時12分


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