青酸中毒、新たな指標25種特定=死因究明の精度向上へ―近大など



近畿大や愛知県警などの研究グループは16日までに、青酸(シアン化物)中毒を見分ける25種類の新たなバイオマーカー(生体指標)を特定した。研究成果を犯罪捜査や死因究明の精度向上につなげたい考え。論文は5月、毒性学分野の国際学術誌に掲載された。

シアン化物は極めて毒性が強く、殺人やテロに使われたこともある。検出には高度な分析技術が必要な一方、血液中では時間の経過とともに減少するため、シアン化物と結び付いて生成される代謝物による判定手法の開発が進められてきた。

近大の財津桂教授らの研究グループは、マウス実験で、多数の代謝物を網羅的に測定しシアン化物投与による代謝変化を解析。その結果、投与の有無を高精度に判別できる25種類の成分を特定した。今後、人体の解剖試料などで実証を重ねる。

また、シアン化物の代謝物の一つで指標候補とされている「2―アミノチアゾリン―4―カルボン酸(ATCA)」も検証した。食事由来の成分と反応して生成されるため、食事内容が生成量に影響すると懸念されていたが、マウスに食事成分の含有量が異なる3種類の餌を与えた結果、影響を受けにくいことが確認された。

財津教授は「指標が実証されれば鑑定技術の向上につながる。『シアンを使った犯罪は見逃されない』という認識が広がることで犯罪の抑止効果も期待できる」と指摘。愛知県警科学捜査研究所の久恒一晃研究官は「ATCAや今回見つかった指標を活用し、より正確な判断につなげられるよう研究を進めたい」と話している。

〔写真説明〕近畿大の看板

2026年06月16日 14時41分


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