
【ローマ時事】米イランの戦闘終結合意を踏まえ、高市早苗首相は海上自衛隊の機雷掃海部隊をホルムズ海峡に派遣するかどうか本格的な検討に入った。掃海艇の派遣は戦闘終結が条件で、そもそも機雷の数など不明なことも多い。合意が履行されるか見極めつつ、イランを含む関係国とも連絡を取りながら慎重に判断する方針だ。
首相は15日午前(日本時間同日午後)、訪問先のローマ市内で記者団に「事態の収束に向けた大きな一歩で、歓迎する」と強調。木原稔官房長官は記者会見で「わが国経済や世界経済を下押しするリスクを低下させることが期待される」と述べた。政府内には「原油の供給がスムーズになるだろう」(外務省幹部)などと安堵(あんど)の声が広がった。
一方、首相は「覚書が確実に実施され、ホルムズ海峡の自由で安全な航行が実際に確保されることが大事だ」と指摘。海峡の「航行の自由確保」に貢献するとした英仏独伊首脳の共同声明に参加すると表明した。政府高官は、どの掃海艇を派遣するか「考えなければいけない」と述べた。
トランプ米大統領は3月に首相と会談した際、航行の自由への貢献を要請。首相は「法律の範囲内でできることとできないことがある」と回答したが、戦闘終結後の遺棄機雷なら自衛隊法に基づく掃海が可能だ。
ただ、覚書の全容は明らかになっておらず、合意直前にレバノンを空爆したイスラエルの動向も読めない。政府関係者は「事態が二転三転しなければいいが」と懸念。機雷がどこにどのくらいあるのか、遺棄されているのか、そもそも本当にあるのかどうか「イラン政府に情報を提供してもらわないといけない」と述べた。
木原氏は会見で、掃海艇派遣について「何ら決まっていることはない」と述べるにとどめた。外務省幹部は、人道・復興支援も並行して検討する考えを示した。
【時事通信社】
〔写真説明〕米国とイランが戦闘終結のための覚書で合意したことを受け、記者団の質問に答える高市早苗首相=15日、ローマ(代表撮影・時事)
2026年06月15日 20時19分