中部電、さらなる困難直面=再稼働計画、完全白紙化―浜岡原発



中部電力が設置した調査委員会の報告書が公表され、浜岡原発(静岡県)の地震想定を巡るデータ不正の深刻さが改めて浮き彫りとなった。3、4号機の再稼働手続きは完全に白紙となり、同社は運転の見通しが立たない原発を抱えたまま、さらなる困難に直面することになる。

原発の安全対策として重視されるべき地震想定。不正の代償は大きく、中部電は3、4号機再稼働の前提となる審査の申請を取り下げると発表した。原子力規制庁によると、事業者側の不正が原因で申請を取り下げた例はない。

同庁の担当者は「中部電の申請内容は現状、信頼できる状態ではない。信頼できるようになるまでにどれくらいの時間がかかるのかも分からない」と指摘。規制委への審査申請から10年超が経過しているが、再申請した場合は審査を最初からやり直すことになるという。

昨年、原発の60年超運転を可能にする「グリーントランスフォーメーション(GX)脱炭素電源法」が全面施行された。規制委の審査に要した期間をこれまで上限とされてきた60年に上乗せできるようになり、政府は老朽原発の長期活用を促す。ただ、電力会社側の責任で運転を停止した期間は対象外のため、申請時から不正が行われていたとされる浜岡原発では60年超運転は難しいとみられる。

3号機は運転開始から39年がたち、4号機も今月で33年となった。仮に再申請してもさらなる時間を要する上、抜本的な安全対策に向けたコスト増は不可避で、中部電は難しい判断を迫られそうだ。

〔写真説明〕中部電力本店ビル=名古屋市東区

2026年09月14日 20時58分


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