国土交通省は、防潮堤のかさ上げや水門改良など、気候変動対応で海岸施設を一体的に整備する自治体に対する個別補助制度を創設する方針だ。一定のエリア内で計画的に施設の新設・改修を進め、海面上昇や勢力の強い台風による被害の軽減につなげる。2027年度予算概算要求に関連経費を新規で盛り込んだ。
国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が21年に公表した報告書によると、2100年の平均海面水位は、平均気温の上昇幅を2度未満に抑えた場合でも32~62センチメートル上がると予測。国交省は、今後の水位上昇を考慮し、沿岸部の自治体にも防潮堤かさ上げなどの機能強化を求めている。
ただ、個別施設の対策だけでは災害の激甚化に対応しきれない事態も考えられる。このため国交省は、▽耐震化や老朽化対策と併せて実施する防潮堤かさ上げ▽津波・高潮の際に閉鎖する水門の改良▽波の勢いを弱める沖合の離岸堤設置―などを一体的に推進。自治体に対し、中長期的な複数施設の整備に関する計画策定を促す。
新たな補助制度では、この計画策定費や、計画に基づく施設整備に関する費用を支援する方針。補助率や支援額は、今後の予算編成過程で調整する。従来は自治体の自由度が高い交付金による支援を行っているが、特定の事業に支出する個別補助の仕組みを設けることで、確実に対策を進める考えだ。
【時事通信社】
2026年09月12日 14時31分
administration