雇調金不正100億円分、督促せず=一部請求権消滅も、検査院指摘



新型コロナウイルス対策の雇用調整助成金(雇調金)などの不正受給や過払いに対する国の督促状況を会計検査院が調べたところ、適切に督促されていない債権が100億円余りに上ることが29日、分かった。一部は5年の請求権消滅により時効となっていた。

雇調金は休業時、従業員に支払った休業手当の相当額を国が企業に支給する制度。2019~24年度の雇調金などの支給件数は計約6兆8725億円に上った。検査院は制度を管轄する厚生労働省に対し、各労働局が適切に督促するよう求めた。

検査は全国47労働局のうち13局を対象に行った。昨年3月時点の未返納債権2054件(計約214億4200万円)のうち、約半数の1046件(計104億7800万円)で適切な督促が行われていないなどの問題があった。

督促状の未送付が994件(計約102億300万円)、電話や訪問で納付を促さなかった例が339件(計約21億8700万円)など。債務者から承認を取り付けず、時効により債権が消滅したものも91件(計約2億5700万円)あった。

コロナ禍で事業主の要件が特例措置として緩和され、不正受給や過払いが増加する中、厚労省は労働局の債権管理の負担軽減策で訪問など一部業務を弁護士法人に外部委託していた。しかし調査で、実際は業務の大半を労働局職員が担っていたことも判明した。

厚労省雇用保険課は「検査院の指摘を重く受け止める。外部委託業務を増やすなどして対応したい」としている。

〔写真説明〕会計検査院=東京都千代田区

2026年09月29日 17時20分


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