楽天、携帯「独り立ち」へ正念場=KDDIの回線貸し出し縮小―基地局整備、ライバルに遅れ



楽天グループ傘下の楽天モバイルは今月末、KDDIから携帯電話通信網を借りる「ローミング」契約を一部エリアで打ち切られる。携帯電話サービスの開始以来、7年間続いた支援がなくなり、通信品質が低下すれば顧客離れのリスクは高まる。後発の楽天モバイルは競合他社に比べて基地局整備が大きく立ち遅れており、携帯大手としての「独り立ち」へ正念場となりそうだ。

楽天モバイルは2019年10月からKDDIのローミング提供を受けてきた。20年4月の携帯電話事業への本格参入後は、基地局整備への投資を抑えながら、低料金を武器に契約数を伸ばすことができた。

ローミング提供は今年10月以降、都市部で打ち切られ、地方などに絞られる方向だ。近年は楽天モバイルも動画配信がセットとなったプランを設けるなど、通信利用量が増大してきた。KDDIの松田浩路社長は「役割を十分に果たせた」と打ち切りの理由を説明。今後は自社の利用者への通信品質の向上に注力する方針だ。

楽天モバイルの基地局建設は順調に進んでいるとは言いがたい。高速大容量の通信規格「5G」の基地局数は昨年3月末時点で3.5万局。KDDI(11万局)やソフトバンク(10.4万局)に見劣りする。25年は1500億円の設備投資を計画したが、工事会社の人手不足から630億円にとどまった。

9月には契約数1100万回線を突破。赤字幅も少しずつ縮小してきた。ローミング打ち切りに伴い、通信設備への投資を急拡大すれば、改善しつつある事業の採算は再び悪化しかねない。

顧客戦略を巡って楽天モバイルは8月、楽天グループ共通のIDと連携しなければ、携帯電話サービスの契約を自動解約すると公表した。インターネット通販サイト「楽天市場」や金融事業などを含む経済圏に囲い込みを図ったが、直後に方針を撤回。利用者を戸惑わせる事態となった。

楽天モバイルのサービスには「駅でつながりにくい」「イベント会場で使えない」といった利用者からの不満も散見される。楽天グループの三木谷浩史会長兼社長からは「解約率も改善している」と前向きな姿勢も目立つが、利用者に満足できる通信品質を届けられるのか、その経営手腕が問われる。

【時事通信社】 〔写真説明〕楽天モバイルのロゴマーク

2026年09月29日 07時36分


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