
若者文化をけん引した東京・渋谷の代表的な百貨店、西武渋谷店が30日に58年の歴史に幕を下ろす。営業終了100日前の6月下旬からセールや写真展、プレゼント配布などさまざまなイベントを開催。閉店を惜しむ客が足を運んでいる。
1968年4月、旧セゾングループを率いた故堤清二氏が西武百貨店渋谷店として開業。当時は珍しかったエルメスなどの高級ブランド店や、屋上の遊園地が人気を集めた。若手デザイナーの商品を並べた売り場「カプセル」を通じて先端ファッションを発信し、80年代の「DCブランドブーム」の火付け役として一時代を築いた。
しかし、バブル崩壊後は収益が悪化。現在の運営会社そごう・西武(東京)は今年3月、土地や建物の権利者と賃貸借契約を継続できなかったことを理由に営業終了を発表した。食品と化粧品、婦人服の売り場がメインの「A館」と衣料品店が並ぶ「B館」などが閉鎖され、「ロフト館」と「無印良品」が入る「モヴィーダ館」は西武の看板を下ろして営業を続ける。
閉店に向け、6月下旬からショーウインドーに残り日数を表示するカウントダウンとともに、イベントを実施している。半世紀を振り返る写真展を訪れた千葉県習志野市の50代女性は、友人とDCブランドのショップを回った20代の頃を思い起こし、「バーゲンで何を買おうかと見ているだけで楽しかった」と懐かしんだ。
共に渋谷で若者文化を発信してきた東急百貨店は、2023年の本店閉店後も東急渋谷駅直結の商業ビル「ヒカリエ」などに「分散」して営業を継続。現在、それぞれの店舗には東急への「エール」と西武への「感謝」を示すポスターが掲げられている。
【時事通信社】
〔写真説明〕30日に閉店する西武渋谷店(そごう・西武提供)
〔写真説明〕西武渋谷店の歴史を振り返る写真展=14日、東京都渋谷区
〔写真説明〕閉店する西武渋谷店のショーウインドー=14日、東京都渋谷区
2026年09月29日 07時07分