オリックスのキャンプ地で、連日のティー打撃中に変わった動きを見せる選手がいた。広島からフリーエージェントで加入した昨季、精彩を欠いた西川だ。
脚を大きく広げて腰を落とし、寝かせたバットを胸に当てるように構えて振り込む。下半身の粘りを養い、体の回転を鋭くすることが目的で、「最初はきつかったが、自主トレからやってきたのである程度は慣れた」。球を捉える面が平たい特殊なバットを使うことも。巻き返しに必死だ。
リーグ4連覇が懸かった昨季は5位に低迷。得点力を欠いた打線には大きな責任がある。西川だけでなく、期待を裏切った野手陣は目の色を変えている。
2023年の首位打者、頓宮は姿勢で示す。打率1割9分7厘と極度の不振に陥った昨季を見詰め直し、志願して今季から野手主将に。「声を出して引っ張る」という言葉通り、シートノックでは率先して場を活気づける。全体練習後に30分以上、一人黙々と守備に励む日もあった。21年の本塁打王、杉本は「どんどん振り込む」。33歳は早出の打撃練習を行うなど、外野の定位置を確保すべく精力的に動いた。
新加入のディアス、オリバレスやドラフト1位ルーキー麦谷(富士大)の力量は未知数。投手陣は強固なだけに、覇権奪還に近づくには経験ある打者たちの奮起が欠かせない。
【時事通信社】
〔写真説明〕独特の構えでティー打撃を行うオリックスの西川=7日、宮崎市
〔写真説明〕打撃練習に励むオリックスの頓宮=11日、宮崎市
2025年02月16日 07時07分