
【ニューヨーク時事】ドジャースの連覇で幕を閉じた今年の米大リーグ、ワールドシリーズ。最終第7戦まで熱戦を繰り広げたブルージェイズを栄養士として支えたのが讃井友香さん(31)だ。「このチームの一員になれたことは、一生の誇り」と実感を込めた。
延長十八回、6時間39分の激闘となった第3戦。ブルージェイズのベンチではゲレロら主力選手が果物を口にするシーンが中継で映し出された。果物の提供を提案したのが讃井さんだった。「十四、十五回ぐらいで私もおなかがすき始めたので、選手たちはもっとすいているだろうな、と」
水分量が多く糖分も豊富なスイカや、疲労回復成分のあるパイナップルを選手とスタッフに提供。シュナイダー監督は「素晴らしい仕事、プレゼンテーションをしてくれた」と絶賛した。
米オハイオ州出身。高校卒業までは日本と米国で交互に暮らし、米国の大学院で栄養学を学んだ。2021年東京五輪では、7人制ラグビーの米国代表をサポート。翌年からブルージェイズ傘下マイナーのチームの栄養士を務め、今年からメジャーの担当となった。
中継ぎ左腕フルハーティーは「ユカはおそらく野球界で一番の栄養士の一人」と強い信頼を口にする。シーズン中、感謝の気持ちを表そうと、讃井さんのためにマッサージ店を予約したという。
ブルージェイズは32年ぶりの頂点をあと一歩のところで逃した。讃井さんは「勝たせてあげたかったし、勝ちたかった。たくさんみんなと泣いた」。その戦いぶりは日本の野球ファンの胸も打った。「たくさんの方にブルージェイズというすてきなチームを知っていただけただけでもうれしい。今後もサポートを頑張りたい」。長く、充実したメジャー1年目だった。
【時事通信社】
〔写真説明〕ブルージェイズで栄養士を務める讃井友香さん=10月20日、トロント
〔写真説明〕ブルージェイズで栄養士を務める讃井友香さん(手前)。シャンパンファイトで手荒い祝福を受けた=9月、カンザスシティー(讃井さん提供・時事)
2025年12月01日 18時06分