衆院定数削減、着地点見えず=維新「離脱」カードで自民けん制



自民党と日本維新の会の連立政権合意に盛り込まれた衆院議員定数削減の着地点が見えない。維新は1年後の1割削減を確約する法案を今国会で成立させるよう自民に迫り、実現できなければ連立離脱もあり得るとけん制する。両党は12月5日までの法案提出を目指すが、自民内では維新へのいら立ちが募り、与党内での法案取りまとめすら見通せない。

「自民のやる気が見えない」。維新幹部は28日、自民への不信感を周辺にぶちまけた。

自民、維新両党は21日の実務者協議で、衆院定数465人の1割削減目標を明記したプログラム法案の今国会成立を目指すことで合意。具体策については1年かけて与野党協議で結論を得ることにした。しかし、これで火種が消えたわけではない。対立点として残っているのが、結論が出なかった場合の対応を法案にどう書き込むかだ。

維新は結論が得られなければ「比例代表で1割削減する」と明記すべきだとの立場だ。藤田文武共同代表は26日の記者会見で「実効性の担保がないものは意味がない」と語気を強めた。

これに対し、自民内では「維新は勝手だ」(閣僚経験者)と不満が渦巻く。高市早苗首相(自民総裁)は26日の党首討論で「そんなことよりも、ぜひ定数の削減をやりましょう」と立憲民主党の野田佳彦代表に呼び掛けたものの、足元の自民内でも機運が高まっていないのが実情だ。

法案提出に仮にこぎ着けられたとしても、国会審議の行方は五里霧中だ。今国会は12月17日に会期末が迫っているが、法案を審議する衆院政治改革特別委員会の委員長ポストは立民が握り、与党ペースは望めない。同委では企業・団体献金見直し法案の審議も予定され、野党内では「定数削減は当然後回し」(立民中堅)との声が強まる。与党は衆院の多数を回復したとはいえ、参院ではなお過半数割れの苦境が続く。

「維新が折れるのを待つしかない」。自民幹部はこう漏らすが、維新は国会会期の延長を早くも要求。自民の腰が重ければ野党の企業・団体献金規制強化案に賛成するとほのめかすなど、強気の姿勢を崩していない。維新重鎮は「法案が成立しなければ連立離脱。さよならや」と言い放った。

【時事通信社】 〔写真説明〕立憲民主党・野田佳彦代表との党首討論で答弁する高市早苗首相=26日、国会内 〔写真説明〕党首討論で立憲民主党の野田佳彦代表(右手前から2人目)に答弁する高市早苗首相(左手前)=26日、国会内

2025年11月30日 07時01分


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