
サッカーのワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会はインターネット動画配信「DAZN」で全104試合が配信される。有料を基本としながらも、日本戦や決勝などは無料。DAZN日本法人の笹本裕最高経営責任者(CEO)は「スポーツの視聴体験が、この大会が起点になって進化していく」と語る。
前回カタール大会もテレビで中継される試合は限られたが、「ABEMA」で全試合無料配信された。背景にあるのが放映権料の高騰。日本向けの総額は約350億円に上るとされ、その多くをDAZNが支払う。笹本氏は「大型投資だが、勝算はある」。2017年にJリーグの配信を開始し、日本代表戦にも拡大。昨年のクラブW杯に続き、サッカー界最大のイベントにも手を伸ばした。
注目されたのが、日本戦を無料で見られるかどうか。3月の野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、動画配信サービスのネットフリックスが日本の試合も含めて有料で独占中継。ファンの反発は大きかった。
DAZNが無料配信するのは、日本の全試合と決勝、準決勝など。放映権料は高額だが、「行き過ぎた形だと、エコシステム(生態系)が崩壊してしまう。バランスが崩れてはいけないという責任感から、今回の設計になっている」と話す。
日本戦を含む一部の試合は地上波でも生放送される。日本時間未明から早朝に始まる試合が多い今大会。自宅のテレビで視聴が難しい人も多く、「スマホなど、デジタル配信が求められる」とみる。シュート速度を画面に表示させるなどの技術も活用し、地上波との「共存共栄」を図る。
パブリックビューイングや飲食店での配信も含め、より多くの視聴環境を提供する。「全国津々浦々、お子さまからお年寄りの方まで盛り上がってもらいたい」と祭典を心待ちにしている。
【時事通信社】
〔写真説明〕DAZN日本法人の笹本裕最高経営責任者(CEO)=18日、東京都港区
2026年05月30日 07時06分