
プロ7年目の初完封まであと1人だった。巨人の井上は九回2死で迎えたソトに通算200号2ランを許し、さすがに表情が曇った。初完投の心境は「気持ちいいです」と言ったが、苦笑い。それほど悔しさが残った。
立ち上がりからリズムが良かった。持ち味の高い制球力を生かして、低めにボールを集め、五回までは無安打に封じる。先取点を得た直後の六回は、先頭から連打を許し、1死二、三塁のピンチ。ここも逃げ腰にならずにゾーン内で勝負。終盤も粘り強く投げ、四死球なしの111球。「1試合を完結させられたのは自信になった」
左肘の故障に幾度も悩まされ、年間を通して戦うことができたシーズンは少なく、この日で通算65度目の登板だった。そんな境遇もあってか、本人は、まずは試合をしっかりつくれる投手であることに価値を置く発言が目立つ。
それでも、この日を終え、少し心境にも変化が垣間見えた。「最後の最後まで気持ちを抜かずにゼロで抑えられる投手になっていきたい」。競技人生の財産になりそうなマウンドだった。
【時事通信社】
〔写真説明〕6回、2死二、三塁のピンチを無失点で切り抜け、ベンチ前で迎えられる巨人先発の井上(右)=5日、東京ドーム
2026年06月05日 22時07分