鈴木彩艶、躍進一番近い=元日本代表GK楢崎正剛さんの視点―守護神が見たW杯サッカー



ワールドカップ(W杯)北中米3カ国大会も、残すは決勝と3位決定戦の2試合となった。元日本代表GK楢崎正剛さんに、GKの活躍ぶりや印象に残った選手などを聞き、総括してもらった。



W杯では、新たな選手やラッキーボーイが出てくるイメージだが、どちらかと言えば、大会前から期待の集まる選手が活躍していた。GKも似たような印象がある。

派手ではないが、一番力を示していたのはクルトワ(ベルギー)。正しい位置取りから、スッと前に出てコースを消したり、体の大きさを生かしたりして、相手にプレッシャーを与えて、得点を奪うのが「簡単ではない」と思わせることができる。さらっとやっていたが、レベルは高かった。

W杯からステップアップする選手がどれくらい出てくるかなと見ていた。日本の鈴木彩艶がそれに一番近いように見えた。パルマ(イタリア)でやっていることが何より力量を物語っているし、自信も伝わった。今までの日本代表GKと比べ、一つ上のステージにいる。

鈴木彩は本当に落ち着いていて、自分から先にアクションを起こさないし、スピードもあるからボールに遅れない。(ブラジル戦の2失点目は)先に読んで、動いていたら止められたかもしれない。でも、そういうプレースタイルではないのは分かるし、「ちゃんと見てから動く」というスタイルは自分も好き。今後、同じシーンが来た時に進化を見せてほしい。

憧れられる選手を増やしていく点では、私のやりがいが出てくる。育成でも、いろいろなポジションをやっていく中で、最終的にGKをやる流れがいいと思っている。

チーム数拡大の影響か、エラーも目立った印象だ。あまり言及がないが、W杯で「そのレベル」なのかというプレーはあった。不運に見える部分もあったし、守るべき所を防げていない失点が多いかなとも思った。

早くプレーすることを推奨する新ルールは、いろいろと神経を使ったと思う。日常になっていればよかったが、まだなじんでいないので、ストレスはあっただろう。

ブヌ(モロッコ)のPK戦での(相手が蹴る前にゴールライン上で大きく動く)対応は、相手がGKをあまり見ていなくて、駆け引きなく蹴ってくるのが分かっていれば、通用するし、ありかなと感じた。ただ、一般的にはタイミングを合わせられるかどうかだろう。

日本代表の世界での立ち位置は、間違いなく上がっている。僕らの頃のベスト8一歩手前とは違うし、与えているインパクトも全然違う。今後に期待するしかない。(サッカー元日本代表GK楢崎正剛)



◇楢崎正剛さんの略歴

楢崎正剛さん(ならざき・せいごう)

元日本代表GKで、J1名古屋GKコーチ。奈良育英高から横浜F、名古屋でプレー。10年にGK初のJリーグ最優秀選手賞。W杯は98年フランス大会から4大会連続メンバー入り。奈良県出身。50歳。

【時事通信社】 〔写真説明〕サッカー元日本代表の楢崎正剛さん

2026年07月18日 07時20分


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