
【北京時事】中国・上海で17日、中国最大級の技術展示会「世界人工知能(AI)大会」が開幕した。ロシアやブラジル、南アフリカなどグローバルサウス(新興・途上国)を中心に29カ国が結集。AIの標準規格づくりやインフラ整備で協力する新たな国際組織「世界人工知能協力機構(WAICO)」の設立も決定した。中国は技術覇権を争う米国に対抗し、ルール形成の主導権を確保する狙いだ。
習近平国家主席はAI大会の開会式に初めて出席し、最先端AI半導体の対中輸出規制を強める米国を念頭に「国家安全保障の概念を過度に広げて自国を優先させる行為」に反対すると表明した。多国間協調に後ろ向きなトランプ政権を尻目に、巨大経済圏構想「一帯一路」のデジタル版にも位置付けられる新組織の参加国拡大をにらむ。
中国は科学技術の分野で海外に頼らない「自立自強」を国家戦略に掲げ、国産半導体の育成を急いでいる。最先端モデルの開発や設計では米国が先行するものの、パソコンや自動車向けの低価格半導体の量産で巻き返しを図ってきた。中国政府系シンクタンクによると、国内AI産業の規模は過去5年間で少なくとも約3倍に拡大した。
WAICOには東南アジア諸国連合(ASEAN)の一部を含むアジア12カ国、アフリカ10カ国、中南米4カ国などが参加する。世界人口の7割以上を占めるとされるグローバルサウスに中国製AIインフラの普及が進めば、米中の技術分断が深まるだけでなく、中国と経済的に結び付きの深いアジアに拠点を置く日本企業は技術・価格の両面で一層厳しい競争にさらされる可能性がある。
【時事通信社】
〔写真説明〕17日、中国・上海で開かれた「世界人工知能(AI)大会」の開会式に出席する習近平国家主席(EPA時事)
2026年07月18日 07時05分