
プロ野球にリプレー検証制度「リクエスト」が導入されてから9年目の今季、ビデオ映像を一括で検証するリプレーセンターが新設された。両球団のファンが固唾をのんで大型ビジョンを見守っている同時刻、東京都内にある同センターでも審判員2人が拡大映像などに目を凝らす。
設立の目的は公平性の確保、判定制度の向上、そして審判員の負担軽減。日本野球機構(NPB)の杵渕和秀セ・リーグ統括によると、かねて現場の監督らから、試合に関わっていない第三者が冷静に判断した方がいいとの意見が寄せられていた。米大リーグをはじめとした他国の制度や、他競技でのリプレー検証の実態を踏まえ、「NPBの検証制度も次の段階に行かなければ」として導入が決まった。
テレビ中継の映像の使用は昨季までと変わらないが、操作担当のオペレーターが常駐し、拡大や静止、スローにするなどして判定している。杵渕統括は「(昨季までは)こっちの角度よりさっきの方をよく見たいと思っても、それすら自由にできなかった。判定の精度は格段に上がっている」と強調。検証時間は昨年に比べて約30秒短くなり、試合の中断も短時間で済むようになった。
大きな課題もある。どれだけ客観性に気を配っても、覆すだけの映像がなければ判定は変わらず、批判につながる。「映像の鮮明さ、カメラの台数、いろいろな角度がたくさんあること、そこに尽きる。NPBの独自判断ではできないところもある。放映権を持っている球団の方と相談しながら、一年一年進化していきたい」(杵渕統括)。シーズンオフにはさまざまな立場の関係者から意見を聞き取り、改善につなげる予定だ。
【時事通信社】
〔写真説明〕モニターが設置された日本野球機構(NPB)のリプレーセンター=3月24日、東京都港区
2026年08月18日 07時04分