
偉大な指揮官にささげる勝利となった。横浜を春夏通じて5度の優勝に導いた渡辺元智・元監督が死去。エース織田は「現実を受け止められなかった」が、動揺を感じさせない圧巻の投球だった。
2回戦で自身が打ち立てた甲子園最速記録の156キロを何度も投げ込み、スタンドからはどよめきが湧き起こった。カットボールも効果的に使い、10奪三振。時折笑顔も見られ、マウンドを楽しむ余裕もあった。昨夏に続く甲子園3度目の完封。「絶対に投げ切ろうと思っていた」
背番号1を付ける本格派右腕。1年生の時から脚光を浴びていた織田は、どうしても1998年に横浜を春夏連覇に導いた松坂大輔さんと比較される。その大先輩を育てたのが、渡辺元監督。織田自身も直接助言を受けたことがあり、口酸っぱく言われたのが「視野を広く持て」だった。自分の投球ばかりを追い求めていたことを戒めたこの言葉は「今に一番生きている」と言う。
「監督さんに見守っていただいていると思っていた」。試合後、仲間と共に空を見上げた織田。昨夏は、はね返された準々決勝の壁を越えた。あと2試合を勝ち抜き、頂点へと駆け上がることが、名将への恩返しとなる。
【時事通信社】
〔写真説明〕5回裏花巻東1死一塁、併殺に仕留め、喜ぶ横浜先発の織田=18日、甲子園
2026年08月18日 20時00分