
順位や力の差が単純に反映されないのがダービーの面白さ。鹿島にはJ1王者として、ホームで迎える水戸にもプライドがある。J1の歴史に新たに刻まれた「茨城ダービー」は、新参の水戸が大勝で鹿島を止めた。
サポーターの熱い後押しを受け、水戸は挑戦者らしく序盤から出力全開で迫った。主役となったのは、主将マークを巻く渡辺だ。開始早々に相手のミスを突いたPKによる先制点を皮切りに、後半10分までに4ゴールと一人舞台となった。
とりわけ、1点を返された直後にドリブルで独走し、相手の反撃ムードを断ち切った4点目には価値があった。「茨城初のJ1ダービーで、僕らが勝たないと盛り上がらないと思った」。お立ち台で、声が弾んだ。
観衆は約6700人だった8月29日の町田戦を上回る1万4506人。26年間過ごしたJ2では、平均観客数が2000人に満たないなど、長く観客動員に苦しんだ時期もあった。
当時を知る樹森監督は、「水戸地域の意識も変わると思う。希望を与える勝利」と言った。試合後にスタジアムを包んだ「茨城、水戸」の大合唱からは、そんな感慨の深さも伝わった。
【時事通信社】
〔写真説明〕後半、4点目のゴールを決め喜ぶ水戸の渡辺(右)=2日、茨城・水戸信用金庫スタジアム
〔写真説明〕鹿島に勝利し、笑顔で観客に手を振る水戸の渡辺=2日、茨城・水戸信用金庫スタジアム
2026年09月02日 22時15分