
デジタル庁は1日、発足から5年を迎えた。これを前に、事務方トップの三角育生・デジタル監は時事通信のインタビューに応じ、マイナンバーカードの発行枚数が発足時の倍以上の1億枚を突破するなど、デジタル化の基盤が整ってきたと強調。行政サービスで、人工知能(AI)が業務を自律的に代行する「AIエージェント」の活用を提起した。主なやりとりは次の通り。
―デジタル化の進捗(しんちょく)状況は。
(マイナカードの発行枚数は)2021年9月の時点で4700万枚ぐらいだったが、1億400万枚で倍以上に増えている。身近に個人を認証できる仕組みが確立され、多くの国民に安心して行政サービスを使ってもらえる基盤ができつつあるのは一つの大きな成果だ。
―デジ庁発足からの変化は。
私自身、医者に行く時にスマートフォンでマイナ保険証を提示し、薬を受け取ることができる。確定申告もパスポート審査もオンラインでできる。いろいろものが一つのデバイス(機器)で簡単につながってきている。
―足りない部分は。
しっかりやらなければいけないのは、自治体ごとに異なる基幹業務システムを一つの仕様に合わせる「標準化」だ。(25年度末の時点で)7割まで進んだが、人口規模の多い自治体がまだ残っている。
―これからのデジ庁の役割は。
AIがこの5年間の途中から一気に普及してきた。法制度の抜本的な見直しなどを図っていく。AIの活用を前提に業務を見直す「AIトランスフォーメーション(AX)」を進めるための旗振り役を務める。
―最も取り組みたいことは。
行政は、仕事がどんどん増えていくのに人手不足だ。AIエージェントが使えるようになれば、(行政サービスを利用する)本人が気付かない制度、知らない制度に(AIが)気付き、教えてくれ、手続きまで進む世界が視野に入ってきた。AIが誤情報を生成してしまう「ハルシネーション(幻覚)」の問題はあるが、AIが組み込まれたサービスを安全、便利に、安心して使える時代を実現したい。
【時事通信社】
〔写真説明〕インタビューに応じるデジタル庁の三角育生デジタル監=8月20日、東京都千代田区
2026年09月02日 06時58分