政府、コメ輸入拡大を検討=日米交渉、「カード」精査



政府がトランプ米政権との関税交渉で、米国産のコメの輸入拡大を検討していることが22日、分かった。米側は農産物などの市場開放を求めており、有力な交渉カードの一つとみられている。ただ、コメの輸入拡大は農家などの反発が予想され、参院選を控えて与党内には慎重論が根強い。政府は米側に提示する材料を慎重に精査する考えだ。

コメの輸入は、ミニマムアクセス(最低輸入量)米として政府が年間77万トンを無税で輸入し、このうち主食用米は最大10万トン。枠外の輸入には、1キロ当たり341円の関税を課している。

昨夏の「令和のコメ騒動」以降、コメの価格が高騰し、政府備蓄米の放出に踏み切ったものの、スーパーなどの店頭価格は昨年の2倍を超える高値圏で推移している。このため、ミニマムアクセスを通じた米国産米の輸入拡大により、小売価格を抑える案が政府内で浮上。財務省は今月、主食用米の輸入枠拡充や入札の前倒しによって国内の需給を調整しやすくなると提言した。

農林水産省によると、2024年度のミニマムアクセス枠内の輸入に占める米国産の割合は約45%で首位。国産米の高騰で枠外の輸入量も急増しており、米側の輸出拡大と国内価格の安定を両立できる可能性がある。

【時事通信社】 〔写真説明〕記録的な凶作でコメ不足が深刻化し、米国から緊急輸入されたカリフォルニア米=1993年12月、神戸港(AFP時事)

2025年04月22日 19時52分


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