自民党は19日、参院選の公約を発表した。物価高を上回る賃上げを実現するため3%の名目賃金上昇率を達成し、「2030年度に賃金約100万円増」を目指すとする目標を掲げた。支持離れが指摘される保守層を意識し、「違法外国人ゼロ」に向けて不法滞在対策を強化することを盛り込んだ。
家計支援策として国民に一律2万円を給付し、子どもと住民税非課税世帯の大人を対象に2万円を加算する方針を明記。石破茂首相(党総裁)が先に明らかにした内容に沿ったもので、財源は「税収の上振れ」などで賄うとした。
名目GDP(国内総生産)を40年までに1000兆円に引き上げることや、国民の平均所得を現在から5割以上アップさせることもうたった。
野党各党が訴える消費税減税は盛り込まなかった。小野寺五典政調会長は記者会見で「消費税減税は所得の低い方に恩恵が薄く、高所得者ほど得をする性格を持っている」と述べた。
米国の関税措置の影響に備え、「必要な対策を講じ、十分な予算を確保する」と表明。米価高騰への対応として「官民で総合的な備蓄体制を確立する」と唱えた。「農家所得の向上」も掲げた。
【時事通信社】
〔写真説明〕参院選の公約を掲げる自民党の小野寺五典政調会長(右)ら=19日午後、東京・永田町の同党本部
2025年06月19日 20時15分