中谷元防衛相は19日、交戦が続くイスラエルとイランからの邦人退避に備え、航空自衛隊の輸送機をアフリカ東部ジブチに派遣し、待機させる命令を出した。派遣するのはC2輸送機2機と約120人の隊員で、21日にも美保基地(鳥取県)を出発する方向で調整している。
岩屋毅外相からの要請を受け、統合作戦司令官に命じた。これとは別に、情報収集や連絡に当たる隊員約10人が19日未明に中東地域に向けて出発した。
外務省によると、イスラエルに約1000人、イランに約280人の邦人が滞在する。このうち希望者について、政府は19日中にも陸路で近隣国に退避してもらう方針だ。ジブチには自衛隊の海賊対処の活動拠点があり、情勢の変化に応じて迅速な対応ができるように備える。
中谷氏は防衛省で記者会見し「在外邦人の安全確保に万全を期す必要がある。現下の中東情勢を踏まえ、取り得る対応は幅を持って検討している」と説明した。
【時事通信社】
〔写真説明〕アフガニスタンの邦人らを退避させる任務を終え、入間基地に着陸した航空自衛隊のC2輸送機=2021年9月、埼玉県
2025年06月19日 18時20分