無理筋要求、高市首相へ不満=年度内固執に自民「現実見ず」―予算審議、参院がハードル



高市早苗首相(自民党総裁)が2026年度予算案の年度内成立を断念した。衆院選圧勝を背に強気の姿勢で党内にハッパを掛け続けたが、少数与党下の参院の壁は崩せなかった。衆院解散による審議遅延を無視した「無理筋」の要求に、党内からは「戦略もなく突っ込んだだけだ」(関係者)と不満が漏れる。

「26年度予算案の成立が遅れてしまったことは大変残念だ」。首相は30日、暫定予算を審議した参院予算委員会で悔しさをにじませた。

26年度予算案は、例年より1カ月近く遅い2月27日に衆院予算委で実質審議に入った。当初から「年度内成立は困難」が多くの受け止め。首相が固執したため、与党は衆院審議で野党の反発を「数の力」で押し切り、00年以降最短となる59時間で通過させた。自民の予算委員長による職権発動は9回を数えた。

参院でも首相の強気は変わらなかったが、「良識の府」を自任する参院自民は質疑時間を一方的に削ることに否定的だった。与野党が協調して衆院に対抗するのも参院の特徴。裏方として予算審議を見てきた財務省の関係者は「参院は独立性があり、首相の思惑通りに運ばない」と語る。

首相が事態打開へ積極的に働いた形跡はない。自民の松山政司参院議員会長、石井準一参院幹事長らが23日に首相官邸へ現状報告に訪れたが、首相は隣接する公邸におり、対応したのは木原稔官房長官だった。

衆院選の歴史的大勝で自信を深める首相について、側近議員の一人は「『勝利したのだから私が正しい』というモード。聞く耳を持たない」と指摘する。自民中堅は「官邸の中にいると現実が見えにくくなるが、今の官邸は度を越している」と頭を抱えた。

予算案は憲法の規定により、参院が議決しなくても4月11日を過ぎれば自然成立する。その後は首相が「国論を二分する課題」と位置付ける国旗損壊罪創設などの法案審議に焦点が移る。

与党が過半数を割り込む参院では野党の協力が不可欠。連携相手とみてきた国民民主党との関係もこじれている。同党の玉木雄一郎代表は30日、所属議員の会合で「首相は不測の事態に備えた暫定予算と説明するが、不測ではなくて予測可能な未来だ」と当てこすった。

【時事通信社】 〔写真説明〕参院本会議で暫定予算が可決、成立し、一礼する高市早苗首相(右端)=30日午後、国会内 〔写真説明〕会談に臨む自民党の磯崎仁彦参院国対委員長(右)と立憲民主党の斎藤嘉隆国対委員長=30日、国会内 〔写真説明〕記者団の取材に応じる自民党の松山政司参院議員会長=30日午後、国会内

2026年03月31日 07時17分


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