米ニューヨーク外国為替市場で27日(日本時間28日未明)、円安が加速し1ドル=160円台に乗せた。中東紛争長期化への懸念から原油相場が急騰し、日本の貿易赤字拡大が意識された。市場では政府・日銀が2024年に為替介入を繰り返した160円水準が、「防衛ライン」と見られており、週明けの東京市場では介入警戒感が高まりそうだ。
円相場は連日、原油高に連動して推移している。27日の米原油先物相場は、米国とイランによる停戦協議の難航で、原油輸送の要衝ホルムズ海峡の封鎖解除が遠のくとの見方から、一時1バレル=100ドルの大台を突破した。ドル建て取引が多い原油を輸入するには、日本は円を売ってドルを調達する必要があるため、円安が加速。インフレ進行で米国が年内に利上げに転じ、日米金利差が広がるとの思惑も円売りを促した。
政府・日銀が前回、24年7月にドル売り・円買い介入に踏み切ったのは、161円台を付けた直後だ。同年4~5月の介入も160円を突破したタイミングで実施され、今年1月には159円台で日米当局が介入の前段階として金融機関に相場水準を照会する「レートチェック」を協調実施したとの観測がある。
片山さつき財務相は27日朝の記者会見で「断固とした措置も含めてしっかりと対応する」と発言。数日前の「万全の対応を取る」から表現を強め、為替介入も辞さない姿勢をにじませた。
政府内では、原油先物市場に介入して投機的動きを抑えることで、円安をけん制する案も浮上している。ただ、相場高騰の背景には現物の需給逼迫(ひっぱく)リスクもあり、介入効果や実現性を疑問視する声は市場に根強い。
30日には先進7カ国(G7)財務相・エネルギー相・中央銀行総裁会合がオンラインで緊急開催される。原油高や安定供給への対応を協議する見通しだが、懸念払拭につながるかは不透明だ。
【時事通信社】
2026年03月29日 07時01分
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