日本の金利上昇は「健全な証拠」=日銀、引き締め適切―IMF高官



【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)のエイドリアン金融資本市場局長は14日までに時事通信のインタビューに応じ、上昇基調が続く日本の長期金利について、デフレ脱却を受けた「経済健全化の証拠」との見解を示した。また、日銀の金融政策に関し、インフレ率を目標の2%に抑制するには「金融引き締めは適切な対応だ」と述べた。

エイドリアン氏は、景気を刺激も抑制もしない水準へ政策金利を徐々に引き上げる「日銀のスタンスは妥当」と明言。政策正常化に向け「軌道に乗っている」と話した。

13日の東京債券市場では、米イスラエルの対イラン軍事作戦を受けた原油価格高騰によるインフレ懸念も背景に、10年物国債利回りが一時約27年ぶりの高水準となった。エイドリアン氏は「日本の当局者は長年、インフレ率を2%に上げるよう努めてきた」と振り返った。その上で「経済が強く成長し、インフレ率が回復していることが背景にあり、金利は良い理由で上昇している」と述べた。

また、日本の金利は上昇したとはいえ、なおも他国に比べて低いと言明。世界的な資金調達通貨として、円は「国際市場で重要な役割を果たし続ける」と見通した。

IMFは14日公表した国際金融安定報告で、低金利の円で調達した資金を高金利通貨で運用する「キャリートレード」解消が、「世界的な資本の流れに影響する可能性がある」と指摘。米国債やユーロ圏国債の主要な買い手である日本の投資家が資金を国内に振り向けた場合、世界の債券市場へ影響が波及し、先進各国の起債コストを高め、財政を圧迫しかねないと言及した。

エイドリアン氏は日本の高債務水準に関し、日銀の国債保有の多さを考慮すれば、民間保有の割合は小さいと分析。また、「日本は(民間)資産の多い国だ」とし、高債務を「管理していくことは十分できる」との認識を明らかにした。

外国為替市場では、「有事のドル買い」の動きもあり、円安・ドル高が進行している。エイドリアン氏は「無秩序な環境では当局に対し、為替介入を勧告する」としたものの、変動相場制は「概してショックの吸収で有用だ」と述べるにとどめた。

【時事通信社】 〔写真説明〕インタビューに応じる国際通貨基金(IMF)のエイドリアン金融資本市場局長=13日、ワシントン市内

2026年04月15日 07時32分


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