
大型連休に入り、自民党の重鎮や幹部の海外訪問が本格化している。イラン情勢の混迷を踏まえ、エネルギー協力を主眼に置いた渡航が目立ち、政府の資源外交を後押しする狙いがあるとみられる。一方で中国との議員外交は停滞。高市早苗首相の「台湾有事」発言以来続く日中関係の冷え込みが、議員交流にも影を落とす。
岸田文雄元首相と萩生田光一幹事長代行は30日からフィリピンを訪れ、マルコス大統領と会談。岸田氏は27日に高市首相と面会した際、大統領宛ての親書を託された。記者団に「アジア諸国にとって中東との関係、エネルギー問題は大きな課題だ」と話し、資源の安定調達に向けた協力促進を目指す考えを示した。
小林鷹之政調会長は29日からナイジェリアとインドを訪問中だ。ナイジェリアはアフリカ最大級の産油国で、石油輸出国機構(OPEC)加盟国。小林氏は24日の記者会見で「経済安全保障、エネルギー、資源面での協力について議論を深め、連携強化を図りたい」と強調しており、政府要人との会談を予定している。
西村康稔選対委員長は30日から中央アジアのカザフスタンを訪問。資源開発大手INPEXが同国産の原油を日本企業に優先販売する方針を示しており、調達先の多角化につながると期待されている。西村氏は5月5日から米国を訪れ、テキサス州ヒューストンで石油企業幹部と面会する予定だ。
西村氏は中国・北京にも足を運ぶが、日系企業との意見交換など経済面が主目的。習近平指導部の要人との会談予定はない。
昨年の大型連休では、超党派の日中友好議連の森山裕会長らが北京を訪れたが、今年は見送りになった。「台湾有事」発言以降、自民議員の訪中機運は後退しており、党ベテランは「訪中しても要人と会えなければ、かえって事態は悪化する」と述べ、身動きの取れない現状を嘆いた。
【時事通信社】
〔写真説明〕自民党大会であいさつを交わす岸田文雄元首相=4月12日、東京都内
2026年05月01日 07時07分