
【ロンドン時事】アラブ首長国連邦(UAE)が中東情勢の不安定化に背中を押される形で石油輸出国機構(OPEC)の離脱を決めた。原油価格を巡って加盟国間の調整役を担ってきたUAEの脱退は「1960年の結成以来、最大の打撃」(欧米メディア)とも言われ、世界市場におけるOPECの影響力低下は必至だ。
国際エネルギー機関(IEA)によると、UAEは2月時点でサウジアラビア、イランに次ぐOPEC第3の産油国。2019年はカタール、20年にエクアドル、24年はアンゴラがそれぞれ脱退したが、UAEのような生産大国の離脱は初めて。近年、原油価格維持を重視する盟主サウジと、増産を目指すUAEとの対立が表面化していた。
UAEは27年までに生産能力を日量500万バレルまで引き上げる目標を掲げていると報じられた。ただ、米イランの戦闘終結に向けた再協議が見送られたほか、イランによる原油輸送の要衝ホルムズ海峡の事実上封鎖を受けた地政学的リスクは残っており、原油価格は高止まりする可能性も否定できない。
OPEC加盟国による原油価格支配に不満を訴えてきたトランプ米大統領にとって、UAEの脱退が追い風になるとの見方もある。トランプ氏は中東湾岸諸国への米軍の支援と原油価格を結び付け、米国が加盟国を防衛している一方、加盟国側は「これにつけ込んで原油価格をつり上げている」などと非難してきた。
【時事通信社】
〔写真説明〕1960年9月、バグダッドで開かれた主要産油5カ国の会合に参加するサウジアラビア代表団トップのアブドラ・タリキ氏(中央)。4日間の協議を経て、石油輸出国機構(OPEC)の結成が決まった(AFP時事)
2026年04月29日 08時31分