
【ニューデリー時事】日米豪印4カ国の連携枠組み「クアッド」の外相は26日、軍事的・経済的威圧を強める中国を念頭に協力を強化していくことで一致した。トランプ米大統領が中国との関係を重視して「G2」と表現する中、4カ国の結束をアピールした形。ただ、米印関係がぎくしゃくしており、首脳会合のめどは立っていない。
「外相会合の開催は自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の実現に向け、実践的な協力を力強く推進するとの揺るぎないメッセージだ」。茂木敏充外相は26日の会合で、こう強調した。
クアッドは、FOIP実現へ4カ国の具体的な連携を図る枠組み。視線の先にあるのが中国だ。2019年から外相が定期会合を重ね、東・南シナ海での中国の軍事動向について議論してきた。
26日に発表した共同声明では、名指しは避けつつ「軍用機や海上保安機関、民兵による危険で威圧的な行動」に深刻な懸念を表明。「各国が自らの運命を自らの手で決める」ためFOIPへの支持を確認した。重要鉱物やエネルギー安全保障に関する新たな協力枠組みでも合意した。
だが、4カ国の連携にトランプ氏が影を落とす。インドは自国の産品に高関税を課し、敵対するパキスタンに接近したトランプ氏に反発。昨年はクアッド首脳会合をインドで開催する予定だったが見送られた。
トランプ氏はアジアへの関心が薄いとされるが、ルビオ米国務長官はクアッドを重視。23日にはニューデリーでインドのモディ首相と会談し、近い時期にホワイトハウスを訪れるよう招待した。
日本政府もトランプ氏をアジアにつなぎ留めるため、今回の外相会合を首脳会合開催につなげたい考えだった。だが、共同声明は「首脳会合などインド太平洋の平和、安定を推進する継続的な取り組みを楽しみにしている」と記すにとどまった。政府関係者は「年内の首脳会合は難しいだろう」と肩を落とした。
【時事通信社】
〔写真説明〕会合に臨む(右から)ルビオ米国務長官、茂木敏充外相、インドのジャイシャンカル外相、オーストラリアのウォン外相=26日、ニューデリー(外務省提供)
2026年05月27日 07時05分