中東向け自動車、代替ルート模索=ホルムズ海峡外から陸送も―海運・メーカー



中東情勢の悪化によるホルムズ海峡の事実上の封鎖が続く中、中東向けの自動車輸出で同海峡を通過しない代替輸送ルートの開拓に海運大手や日系メーカーが乗り出した。約130隻の自動車運搬船を運航する日本郵船は顧客と相談の上、ペルシャ湾外の安全な場所まで海上輸送し、陸上輸送などで最終目的地に届ける方法を始めた。物流の途絶回避へ多様なルートの構築を急ぐ。

「ホルムズ海峡に入れないのであれば、別ルートを開拓しようと既に動きだしている。何とか供給を続けていく」。日本郵船の曽我貴也社長は今月のオンライン決算会見で、こう決意を述べた。

川崎汽船も「具体的なルートおよび開始時期は未定」だが、代替ルートの検討を進めている。商船三井は個別の輸送ルートや顧客対応の公表は控えるとした上で、「安全運航および安定輸送の確保を最優先に、中東情勢も踏まえたさまざまな対応を検討していく」と説明した。

財務省によると、2025年の日本から中東向けの自動車輸出台数は前年比7.3%増の81万8204台、輸出額で15.3%増の2兆4483億円。中東は高い成長が見込める有力市場だったが、米イスラエルによるイラン攻撃で状況は一変した。日産自動車は26年度上期で約1万9000台が影響を受ける見通しだと説明。トヨタ自動車は3月から中東向けの減産に踏み切った。

自動車メーカーでも、輸送ルートの見直しを急ぐ。三菱自動車はシンガポールやスリランカなどに滞留している中東向けの車両約1万9000台について、二つの代替ルートで試験輸送を始めた。アラビア海からホルムズ海峡に入る手前でオマーンのマスカット港に荷揚げして陸送するルートと、喜望峰を回りスエズ運河を経由して紅海の奥にあるヨルダンのアカバ港で荷揚げするルート。合計で700台を輸送中という。

日産も代替ルートを確保し、同海峡を回避して輸送を続けている。ただ、通常と異なるルートでは「輸送コストは当然かかる」(三菱自動車の岸浦恵介社長)。ホルムズ海峡封鎖が長期化すれば、業績に重くのしかかる。

【時事通信社】

2026年05月23日 07時07分

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