製造業景況感、5期連続改善=AI堅調、コスト高で先行き悪化―6月日銀短観



日銀が1日発表した6月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業がプラス22と、前回3月調査から5ポイント上昇した。人工知能(AI)や半導体関連の堅調な需要を支えに5四半期連続で改善した。ただ、中東情勢の影響によるコスト高の懸念から、先行きは悪化を見込んだ。

DIは、業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」を引いて算出する。大企業非製造業はプラス37と、3月調査から1ポイント改善し、5四半期ぶりの改善となった。

大企業製造業のDIは2018年3月以来の高い水準となった。AI・半導体関連の需要拡大のほか、価格転嫁の進展や中東情勢による原材料の調達難を見越した前倒し需要が寄与。全16業種のうち10業種で改善した。一方で中東向けなどの減産で自動車はプラス12と1ポイント悪化した。

大企業非製造業のDIも、1991年8月以来の高水準。インバウンド(訪日客)需要の増加もあって、宿泊・飲食サービスや小売りでの改善幅が大きかった。

中小企業は、製造業のDIがプラス9と2四半期ぶりに改善。非製造業はプラス15と2四半期連続の悪化となった。

企業は価格転嫁の動きを積極化しており、大企業の販売価格判断DIは、製造業でプラス40と3年半ぶりの高水準。非製造業はプラス40と83年の調査開始以降で最高となった。

一方で、先行きの景況感は、大企業の製造業が5ポイント、非製造業が9ポイントの悪化を見込んでおり、慎重な見方が広がる。原油やナフサの供給混乱などによるコスト上昇は続くとみられ、価格転嫁が進まなければ企業収益が圧迫され、進んだとしても消費を下押しする恐れがある。

今回の調査の回収基準日は6月11日。米国とイランの戦闘終結に向けた覚書署名による緊張緩和は十分に織り込まれておらず、米イラン協議の行方が今後の景況感に影響しそうだ。

【時事通信社】 〔写真説明〕日銀本店=東京都中央区(EPA時事)

2026年07月01日 22時27分


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