米、原油下落もくすぶる利上げ観測=インフレ長期化懸念、景気も堅調で



【ワシントン、ニューヨーク時事】米連邦準備制度理事会(FRB)による年内の利上げ観測がくすぶっている。原油相場は下落傾向に転じたものの、米商務省が25日に発表した経済指標は、インフレ圧力の強さと景気の堅調さを改めて浮き彫りにした。これまでの原油高が遅れて波及し、輸送費や幅広い品目の価格を押し上げる「二次的影響」が広がるとの警戒感から、FRBが金融引き締めに前向きな「タカ派」路線を維持すると見込まれている。

5月の個人消費支出(PCE)物価指数の伸び率は前年同月比4.1%と、3年1カ月ぶりの高水準。FRBが掲げるインフレ目標の2%は一段と遠のいた。一方、同時に公表された1~3月期の実質GDP(国内総生産)確定値は前期比2.1%増と、改定値(1.6%増)から大幅な上方修正。人工知能(AI)関連がけん引する設備投資の上振れが寄与した。

シカゴ連邦準備銀行のグールズビー総裁は25日、変動の激しいエネルギーと食料品を除いたコアPCE指数の伸び率が3.4%に加速したことを踏まえ、「(インフレは)悪い方向に向かっている」と懸念を示した。

コアの伸長は、原油高による二次的影響がじわりと浸透している可能性を示唆する。市場は「今後数カ月で影響がさらに広がる」(金融大手)と身構える。米イランが戦闘終結の覚書を交わし、原油相場は1バレル=70ドル前後と紛争前に近い水準に低下。ただ、割高な時期に購入した原油を精製して出荷するまで「タイムラグ」(日系証券)が生じるため、ガソリン高が続く恐れもある。

AIブームに伴う半導体需要の拡大も物価上昇の一因で、「状況によっては利上げが必要」(FRB高官)との見方が優勢だ。ウォーシュFRB議長は「物価安定の実現」を誓うが、利下げを望むトランプ大統領から指名を受けただけに、難しいかじ取りを迫られるのは必至。インフレ退治の道のりは険しい。

【時事通信社】 〔写真説明〕ガソリンスタンドの価格表示=22日、米カリフォルニア州ロサンゼルス(AFP時事)

2026年06月27日 07時06分


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