「旅行とは違った体験」はいかが?=農漁業体験施設が人気―被災地に広がる笑顔・宮城県石巻市雄勝町



東日本大震災で人口が4分の1以下に減少した宮城県石巻市雄勝町に、農業や漁業を体験できる施設「モリウミアス」がある。オープンから11年。これまでに利用した小中学生ら延べ約1万5000人の中にはリピーターも多く、子どもたちの間に「旅行とは違った体験ができる」と笑顔が広がる。

2002年に閉校となった小学校を改修したモリウミアスは雄勝湾を見下ろす高台にあり、周囲には山もある。「循環する暮らし」をテーマの一つに掲げ、地元で捕れた魚を料理したり、森で集めたまきで風呂を沸かしたりする体験ができる。

運営団体の理事、油井元太郎さん(51)によると、立ち上げのきっかけは大震災だった。11年3月、友人と現地入りしてボランティアをした。その後、平日は東京で働き、週末に雄勝町を訪れる日々の中、豊かな自然を生かし、「子どもが共同生活をして環境について学ぶ施設を作る」というアイデアを思いついた。

油井さんの当時の勤務先だった子ども向け職業体験施設では、米作りなどの体験企画が人気で、都会の子どもは自然に触れる経験を喜ぶと感じていた。「全国から集まる教育拠点にすれば町の復興にもつながる」との思いもあったという。

クラウドファンディングや被災地を支援する海外の基金を通じて資金を調達し、13年4月、築100年超の廃校の校舎を取得。協力を呼び掛けた住民やボランティア5000人以上とともに約2年3カ月かけて改修し、15年7月にオープンさせた。

今年5月中旬、小2~中2の9人が施設に宿泊し、銀ザケの養殖場で餌やりをしたり、施設で飼育するニワトリに残飯を与えたりした。

地元の銀ザケをさばき、まきでご飯を炊くなどして海鮮丼づくりにも挑戦。東京都の小学2年山下航さん(7)は「旅行とは違った体験ができた。また、来たい」と笑顔。3年ぶりに施設を利用したという横浜市の小学5年永瀬啓さん(10)は「森と海どちらでも遊べて楽しい。大好きな場所」と満足そうに話した。

【時事通信社】 〔写真説明〕モリウミアスの運営法人理事、油井元太郎さん=2025年12月、宮城県石巻市 〔写真説明〕廃校となった小学校を利用した農業・漁業体験施設「モリウミアス」=2025年12月、宮城県石巻市 〔写真説明〕飼育するニワトリに餌をやる子どもたち=5月17日、宮城県石巻市 〔写真説明〕自分たちで作った海鮮丼を食べる子どもたち=5月17日、宮城県石巻市

2026年07月10日 07時03分


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