カード決済不能、売上金回収に懸念=加盟20万店規模、影響見通せず―全東信破産



クレジットカードの決済代行サービスを手掛ける全東信(大阪市)が破産手続きの開始決定を受けたことで、全国の加盟飲食店に影響が広がっている。中小規模の飲食店を中心に加盟店数は2018年時点で20万規模。現在、カード決済を利用できず、売上代金の回収に支障を来す事態が相次ぎ、影響がどこまで広がるか見通せない状況だ。

「現金を持たないお客様も増えており、客足の減少につながっている」。大阪・ミナミで飲食店を営む女性店長(44)は表情を曇らせた。全東信の破産に伴ってカード決済が使えなくなり、外国人旅行客らが支払時に急きょコンビニなどで現金を引き出しに行く場面が増えた。7日以降は全東信からの入金も途絶えたまま。書き入れ時の夏休みを目前に控え、「かなり厳しい状況だ」と不安を募らせる。

大阪市北区の繁華街「北新地」のすし屋は、入り口に現金などでの支払いをお願いする貼り紙を出した。予約客の7~8割がカード決済希望のため、男性店長(58)は電話で事情の説明に追われたという。新たなカード決済サービスの導入には1カ月程度かかるとみられ、「今は客に無理を言っているが、いつまでもこんな形では難しい」と肩を落とした。

宇都宮市内の洋食店でもキャッシュレス決済が一部を除いて利用できなくなり、決済サービスの切り替えを急ぐ。売上代金の入金が滞り、運営担当の男性は「7月以降の決済分は支払われる見込みがない」とあきらめ顔だ。

顧客への影響が比較的軽微にとどまるケースも。JR有楽町駅付近の居酒屋ではカードが使えなくなったが、全東信を経由しないQRコード決済は引き続き利用可能。女性店長は、利用客から「カードが使えなくても大丈夫だ」と快く受け入れてもらえたと、ほっとした様子で語った。

全東信は加盟店の売上代金を立て替え、カード会社に先行して入金するサービスを提供。6日に大阪地裁に自己破産を申請し、破産手続き開始決定を受けた。

【時事通信社】 〔写真説明〕全東信の破産を受け、現金などでの支払いをお願いする北新地の飲食店の貼り紙=10日午後、大阪市北区

2026年07月11日 07時11分


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