
臨時国会で最大の焦点となる消費税減税関連法案を巡り、8日の衆参両院の代表質問で論戦が繰り広げられた。野党は財源の明示や給付制度の説明を求めたが、高市早苗首相は従来の政府方針を繰り返すにとどめた。参院は与党少数で、法案成立には野党の協力が必要になるが、与野党の接点は見えていない。
「具体的な支給要件や支援額は政令で定める。国会審議の中で説明していく」。首相は8日の衆院本会議で、政府が消費税減税とともに導入を目指す「就業者負担軽減支援金」の制度設計についてこう答弁した。国民民主党の玉木雄一郎代表が対象となる年収や給付額を「この場で具体的に示してほしい。法案審議の前提条件だ」と迫ったが、首相は踏み込まなかった。
支援金は減税策とセットとなる法案の柱だ。与党からは給付範囲や金額で野党の要求を受け入れれば、賛同を得る余地があるとの見方が出ている。だが、首相が答弁で野党に話し合いを呼び掛ける場面はなかった。
首相が所信表明演説で「心配には及ばない」と強調した減税の財源について、立憲民主党の田名部匡代幹事長は8日の参院本会議で「国民は心配ないことを納得できる説明が聞きたい」と追及。首相は「予算編成プロセスで確実にお示しする」と説明を避けた。「特例公債(赤字国債)に頼らず確保する」としつつも、財源の内訳は不明なままだ。
国民民主、公明、立民各党は、物価高対策として消費税減税ではなく、給付を速やかに実施するべきだとの立場だ。玉木、田名部両氏は早期の給付実施を求めたが、首相は「考えていない」と拒否した。
首相は所信表明演説で消費税減税法案に関し「野党と共有できる部分が多くある」と指摘していた。だが、玉木氏は代表質問後、記者団に「支援の対象も支援額も、財源も全体像が全然見えない」と不満を表明。立民幹部は「こんなにもはっきりしない法案を審議できるのか」と批判を強めた。
減税法案は20日にも衆院本会議で審議入りする見通し。自民の松山政司参院議員会長は8日の記者会見で「丁寧に議論していけば賛同いただける余地がある」と期待を示した。
与党は衆院で圧倒的多数を握るが、参院では過半数に4議席足りず、公明などの協力を得たい考え。9日の参院代表質問では、公明の西田実仁幹事長が質問に立つ。
【時事通信社】
〔写真説明〕参院本会議で答弁する高市早苗首相(手前)=8日、国会内
〔写真説明〕衆院本会議で代表質問する国民民主党の玉木雄一郎代表(手前)。奥は高市早苗首相=8日午後、国会内
〔写真説明〕参院本会議で代表質問する立憲民主党の田名部匡代幹事長(手前)。奥は高市早苗首相=8日午前、国会内
2026年10月09日 07時02分